◆◇山口新聞 東流西流 掲載より◇◆

専任手話通訳者 梅田 晶子ハーティー

7・8月の毎週金曜日、山口新聞に「働く力」と題して文章を載せました。書くことで、この会社での二十年間を振り返る良い機会となりました。その中で手話通訳に関わるものを転載したいと思います。

働く力@

私が企業内専任手話通訳者として採用され二十年になりました。現在は管理部に籍を移して、全ての障がい者を対象に「働く」を支援する仕事をしています。

私がリベルタス興産で働くようになったのは、平成三年冬のことでした。宇部興産が障がい者雇用を目的とした特例子会社を造る。聴覚障がい者も雇用するので、一緒に働いてみませんかと声が掛ったのです。

高齢の母と同居、高校受験を控えた子どももいる。夫は単身赴任の辞令が出たところ……。どうしようと考えていた私を押してくれたのは、「手話が好きなんだろう。働いてみたら」という夫の軽いノリ。友人は「亭主元気で留守がいい。チャンスじゃない」とこちらも軽いノリ。そうだよな、手話通訳を専門職にしたいという夢をかなえるチャンスだと思い飛び込みました。

ところがです。聴覚障がい者がみんな手話を使えるわけではない。初日にして、その現実を思い知ったのでした。いまさら逃げるわけにもいかず、筆談や大きく口を動かしながら、手話を知ってもらう。そんな毎日が始まりました。私の「働く力」が試されている。「働く」を支えるはずの私が、こんなことで負けられない。リンゴを思いっきりかじりながらそう思ったのでした。

リベルタス興産