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高級ホテルで赤恥をかいた話 - CHINA -

No.454/2015.10
ナイロン営業部/ 徳原 克彦
画:クロイワ カズ

一昨年の12月、当時上海駐在員だった私は、山東省の黄島(ファンダオ)に出張しました。ビールで有名な青島(チンタオ)の対岸にありますが、実際の行政区としては、青島市黄島区となります。

客先から紹介されたホテルは中国バブルを絵に描いたような新築の高層ビル。私の部屋は29階で、眺望は抜群です。

夕刻、客先との食事会があり、チンタオ・ビールと白酒(パイチュウ)をチャンポンにしたためか、すっかり酩酊。ホテルに帰り、風呂に入ろうと洋服を脱いだのですが、そのまま寝込んでしまったようです。

夜中の2時ごろ、目が覚めてトイレへ。と、思いきや、間違えて部屋から廊下に出てしまったのです。慌てて部屋に戻ろうとした途端、ドアが閉まって自動ロックがカチャリ!もちろんカードキーは室内に置いたままです。しかも、着衣はパンツ1枚。フロントに電話してドアを開けて貰おうにも廊下に電話はありません。焦ってウロウロしていましたが尿意も限界。意を決してエレベータに乗りました。途中、誰かに見られたら大変なことになるかも…。幸い誰にも会わず1階に着いたものの、ドアが開いてビックリ!誰も居ないはずのロビーには、結婚式からの流れか、大勢の人。

顔から火の出る思いでフロントに辿りつきました。スペアのカードキーを作ってもらい、逃げるようにしてエレベータへ。29階までが遅いこと—。

翌朝、何食わぬ顔で客先を訪問。客先からの第一声、

「ホテルは如何でした。よくお休みになれましたか」に、

「快適でした。ぐっすり眠りました」と、笑顔で答えたものの背中は汗ビッショリでした。