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珍しい花に癒され損なった話 - AUSTRALIA -

No.460/2016.04
石炭ビジネスユニット/ 末竹 友春
画:クロイワ カズ

数年前の秋、石炭の仕入れ先である豪州の山元を訪ねました。取引先のY社長と2人旅。福岡空港発、シンガポール1泊でシドニーに向かう計画です。この出張には密かな楽しみがありました。それは、ジャカランダ。薄紫の美しい花で、日本の桜を思わせます。山元にはその木がたくさんあって、素晴らしい景観です。2人ともこの花の大ファン。でも、旅は不運の連続でした。

最初のトラブルはシンガポールの空港でした。我々の荷物が出てきません。シドニーまで直送されたようです。仕方なく、街に出て着替え用に2枚セットのパンツを買いました。グレーのストライプが入った洒落た一品。Yさんとお揃いです。予約したホテルで新しいパンツに履き替えて寝ました。

翌朝、シンガポール空港の手荷物検査でまたトラブル。福岡の免税店で買った、客先への手土産の日本酒と焼酎が危険品とみなされて没収です。残念!

シドニーとは3時間の時差があり、夜の10時近くにシドニー上空まで来たところで第3のトラブルです。雷雲が発生して着陸できず、機はメルボルンへと向かい、日付の変わる頃に着陸。もちろんホテルなどはなく、配られたシュラフに潜り込んで空港の待合室で一夜を過ごし、翌朝の便で昼前にシドニー空港に到着しました。荷物はありましたが、予定より半日遅れの到着です。一休みする余裕もなく、迎えの車に乗り込み、揺られること3時間で漸くハンターバレーの山元に到着しました。満開のジャカランダが迎えてくれるものと、外に出ました。が、何も咲いていません。時期が早すぎたようです。ガッカリ!疲れがドッと湧いてきました。

最近、熱海にジャカランダ庭園ができたと聞きます。Yさんとあのパンツを履いて是非観に行きたいです。