MENU

困った時に救う神ありという話 - INDIA -

No.475/2017.07
宇部興産機械(株)粉砕機設計グループ/ 日名内 竜也
画:クロイワ カズ

昨年の5月、インドに出張がありました。メンバーは設計部長のSさん、営業のEさん、それに私の3人です。
最初はデリー郊外のお客です。初めての訪問なので、客先のK氏が空港まで迎えてくれました。車で田舎道を4時間近く走って客先に着きました。ホテルも客先の紹介です。チェックインして、海外旅行三種の神器(パスポート、航空券、財布)を部屋のセーフティ・ボックスに入れました。普段はあまり利用しないのですが、部長と一緒なので紛失しないよう万全を期したのです。客先との商談はその日の中に終わりました。

次の目的地はプネ。翌朝ホテルを発ちタクシーでデリーの空港へ。昼前に着きました。搭乗手続きをしようと、上着のポケットに手をやって愕然! 三種の神器をホテルのセーフティ・ボックスに忘れてきたのです。もう真っ青です。どうすべきか…。今から取りに行ったのでは往復8時間、プネ行きのフライトはもうない。2人には予定通りプネに発ってもらい、私が遅れていく案は?が、これも無理があります。その時、不意に昨日初めて会った客先のKさんの顔が頭に浮かびました。藁をもすがる思いで電話して、状況を話すと、
「それはお困りでしょう。直ぐにホテルに人をやって忘れ物をそちらに届けましょう」と嬉しい言葉。

待ち時間の間に最終便を押さえ、切符の変更手続きをEさんと一緒にやりますが、S部長は待合室の椅子に腰を下ろして憮然たる表情。でも、根が優しい方でキツイお叱りはなかったです。


4時間後、待ちに待ったお使いが到着。三種の神器が返ってきました。もうKさんには感謝、感謝です。この出張で、「インド人は困った時には何とかしてくれる」という強い印象をもちました。