MENU

宇部興産 欧州でのナイロン6事業化を決定

-ナイロンの新会社も設立-

2001年10月26日

宇部興産株式会社(社長:常見和正)は、ナイロン樹脂の原料であるカプロラクタム(CPL)のスペインでの生産拠点(PQM社:バレンシア州カステジョン市)でナイロン6及びコポリマーの重合プラントを建設することを決定した。
生産能力は2系列合計で、20,000トン/年を予定しており、2003年末完成で1系列、2005年末に1系列の計画。第1期分の総投資額は約25億円の見込み。
日本企業としては初の本格的なエンジニアリングプラスティックの欧州生産となる。
また、この計画に合せて欧州におけるナイロン事業を統括する「UBE Engineering Plastics S.A.」(UEP社)を10月19日付けでスペインに設立した。(参考資料参照)

当社は、CPL-ナイロン及び誘導品の一貫生産の強みを生かした競争力強化と、グローバル供給体制確立を基本戦略としており、今回のスペインでの設備投資はその一環。
これまでUBE Europe GmbH(ドイツ デュッセルドルフ市)が行ってきた輸入販売等のナイロン事業は、来年1月の営業開始に合せて新会社に移管する。又2004年1月の生産開始に向けて、市場開発並びに技術サービスを充実するためR&DセンターをUEP社に併設する。

当社は、国内55,000トン/年とタイの子会社であるUBE NYLON THAILAND社(UNT社、ラヨン県)に20,000トン/年の生産能力を有する、我が国最大手のナイロン6メーカーであるが、スペインに重合プラントを持つことにより、日本・アジア・欧州の世界三極体制が整い、最適生産とグローバル供給が可能となる。

ナイロン6の市場は、エンプラ用の射出成形分野とフイルム等の押出成形分野に大別される。押出成形分野において、当社はこれまで欧米市場には日本からの輸出で対応してきており、特に、フイルム・モノフィラメント用等のコポリマーや高粘度グレードに対して、ユーザーから高い評価を得ている。
また、エンプラ市場においては、ナイロン6と66及び12を生産するナイロン総合メーカーとして、自動車、電機等の分野でも高いシェアを有しているが、近年の国内ユーザーの海外生産シフトに対応した海外コンパウンド拠点の拡充を急いおり、UNT社でのナイロンコンパウンド事業を決定し、本年7月5,000トン/年の設備建設に着手した(来年5月稼動予定)。

欧州のエンプラ市場については、現在 現地コンパウンダーとの合弁会社であるUOCG(UBE Polyone Compounding GmbH)から供給しているが、将来的にはナイロン6重合プラントサイト内にコンパウンド設備を建設し、原料から一貫した生産体制を敷くことにより、品質とコスト競争力を兼ね備えたワールドワイドなグローバルサプライヤーとしての地位を確固たるものにする考えである。
なお、米州市場は、スペインの重合プラント完成後は同拠点より供給する予定。

参考資料

UBE ENGINEERING PLASTICS, S.A.

設立 2001年10月19日(営業開始:2002年1月)
資本金 11百万ユーロ
出資 UBE CORPORATION EUROPE, S.A.(欧州統括会社)100%
事業内容 ナイロン樹脂の製造・販売、輸出入業務及びR&D
本店所在地 P/I El Serrano s/n 12080 Castellon, SPAIN
代表者 CEO 渡辺 史信 COO Bruno De Bievre
従業員 44名(予定)
年商 7,902百万ペセタ(2004年見込)

お問い合わせ先

ニュースリリースについてのお問い合わせ