MENU

宇部興産、石炭灰人工砂実証設備完成

-環境に優しい低コストリサイクル製品の開発-

2002年4月3日

宇部興産株式会社(社長:常見和正)はこのほど、石炭火力発電所の電気集塵器で補集される石炭灰(フライアッシュ)を主原料とする人工砂(商品名:「ゼットサンド」)の量産実証設備を、宇部・沖の山コールセンター内(山口県宇部市)に完成させた。原料となる石炭灰を年間5万トン処理する能力を持ち、製品の人工砂は 7万6千トン生産可能である。
本事業は、経済産業省の外郭団体である(財)クリーンジャパンセンター(CJC)の委託を受けた実証実験事業であり、4月から実験を開始し、併せて国・自治体、ゼネコン、土地造成業者等を対象としたプレマーケティングを行う計画である。
当社では、年々増加する石炭灰の有効利用の一環として、数年前から石炭灰を造粒した人工砂の基礎研究を行っており、製造技術開発・用途開発・環境影響評価を実施してきた。技術的、経済的に実用化の目途がついたことから、CJCが募集した平成13年度「廃棄物再資源化実証プラント事業」に応募・採択されたもの。
土木材料に使用することを目的とした石炭灰造粒技術は、既にいくつかのタイプのものが開発されているが、いずれも工程が複雑で高コストであること、限られた用途向けであること等から、十分に普及していないのが現状であった。一方、この「ゼットサンド」は低コストで、天然の砂・土と同様の取扱いが出来、幅広い土木分野に使用可能なため、環境にやさしいリサイクル製品として大量の使用が期待されている。

主な用途 土木工事用等に用いられ、天然の砂や土(まさ土等の砂質土)の代替材料。(盛土材・路床材・埋戻し材・裏込め材等)
組成 主原料としての石炭灰、固化材としてのセメント等の無機物及び水からなる。
原料としての粉体を秤量後、バッチ式造粒機内で水を加えることで混合と同時に造粒が行われる。
造粒後は、屋内で1~2日間養生を行った後、屋外で貯蔵される。性状としては、灰色で平均粒径が1mm程度の粉粒状。
特長
  1. 原材料費が安価で製造プロセスが簡単なため、低コストで製造出来る
  2. 天然材料と同様の取扱いが出来る(屋外貯蔵が可能)
  3. 石炭灰に含まれる微量金属の溶出を抑える技術を採用し、環境に優しい製品である

お問い合わせ先

ニュースリリースについてのお問い合わせ