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宇部興産(株)の「光触媒繊維及び水浄化システム」が、第4回グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)賞 環境大臣賞受賞

2005年2月25日
※ 本製品は2013年10月1日で販売終了いたしました。

宇部興産(株)(社長:常見和正)が世界で初めて開発した「表面傾斜構造を有する高強度光触媒繊維の開発とそれを用いた水浄化システム」が、環境負荷削減に大きく貢献したとして、この度グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク(GSCN)から「第4回GSC賞 環境大臣賞」を受賞することが決まった。

GSC(グリーン・サステイナブル ケミストリー)とは、化学に関わるもの自らが社会的責任を自覚し、化学技術の革新を通して人と環境の健康・安全を目指し、持続的な社会の実現に貢献していくことを目的とする世界的な活動であり、日本では、このGSC活動を効果的かつ強力に推進するため、化学系の学会・団体及び研究所(合計24団体)により、2000年3月に任意団体としてGSCNが設立された。
GSCNでは2001年から国内においてGSC賞を設けており、環境大臣賞は主に総合的な環境負荷削減に貢献した業績に授与されているが、今回受賞対象となった「表面傾斜構造を有する高強度光触媒繊維の開発とそれを用いた水浄化システム」は、人体に有害な塩素消毒に代わる安全な水浄化システムであり「人と環境の健康・安全」を提供できるものと高い評価を受けた。

「光触媒」は、30年ほど前から注目され始め、現在では除菌・脱臭・空気清浄等の分野で多くの商品開発がなされている。しかし、これまでは粉末状光触媒(酸化チタンの粉末)を塗布した製品が中心であり、水質浄化に対しては、流水中における光触媒層のはがれなど解決すべき問題が多く本格的な実用化が困難であった。
この問題を解決するため、耐久性と光触媒活性を両立できる材料・システムの開発が強く望まれていたが、これに対応して、宇部興産(株)宇部研究所の石川敏弘 機能材料部門長ほか4名は、光照射によりあらゆる有機物質の酸化分解機能を発現するナノレベルの表面傾斜構造を持つ高強度光触媒繊維の開発に世界で初めて成功し、この繊維を内蔵した高効率浄水システムの開発にも成功した。
(この繊維に関する学術論文は、2002年3月7日発行のイギリスの科学雑誌「Nature」に掲載。)

この高効率浄水システムは、浴槽中のレジオネラ菌や大腸菌等に対して死滅活性を示すとともに、菌の細胞を完全に二酸化炭素と水にまで分解し、水の濁り防止にも優れた効果を発揮する。
宇部興産(株)では同システムを2002年5月に製品化、「アクアソリューション®」と名づけ販売を開始し、薬剤に頼らない画期的な殺菌浄化システムとして、温浴施設やプール向けを中心に国内で約50台の納入実績がある。

更に同システムは、難分解性物質と言われる猛毒のダイオキシンや各種バクテリアやウィルスも効果的に二酸化炭素と水にまで分解できることも実証されているため、養殖場や水族館などの海水殺菌、冷却塔水の殺菌・殺藻をはじめとして、幅広く産業用途の浄水分野や廃水処理分野に展開を進めており、将来的には飲用分野への進出も視野に入れている。

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  • 〒755-8633  山口県宇部市大字小串1978-5
  • 宇部興産株式会社 研究開発本部 宇部研究所 機能材料部門
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