宇部興産（株）（社長：田村浩章）はこのたび、フジサンケイグループが主催する「第15回地球環境大賞」において、「フジサンケイグループ賞」を受賞した。
「地球環境大賞」は、「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、持続可能な循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の推進と21世紀の企業・社会システムの探求、地球環境問題に対する意識の向上などの面で顕著な成果をあげ、社会の模範となる功績を収めた企業、自治体、学校、市民グループなどを表彰するもの。
今回の受賞は、宇部興産の苅田セメント工場（福岡県）における「高塩素バイパス設備設置による廃棄物の再利用拡大」をはじめとする資源リサイクル事業が高く評価された。
宇部興産のセメント3工場では、社内外から様々な廃棄物を受け入れ、セメントの原燃料として再利用しているが、廃棄物中に含まれる塩素は、セメントの品質やセメント製造の安定操業に悪影響を及ぼすため、これまでは高濃度の塩素を含むものの再利用は非常に困難だった。
そこで宇部興産では、問題となる塩素を大量に除去できる高塩素バイパス設備を開発し、2005年4月に苅田セメント工場に設置。これにより、塩素を多く含む家庭ゴミの焼却灰や汚泥類といった廃棄物を年間約8万t再利用することが可能となった。
この他、伊佐セメント工場（山口県）では、自家発電の循環流動ボイラで燃料の一部代替として建設廃木材などの木質バイオマスを利用し、発電コスト削減だけでなく資源の有効活用促進やCO2削減による地球環境保全への貢献を図るなど、今後も廃棄物利用を積極的且つ継続的に受け入れ、循環型社会への貢献を更に推進していく予定。
