宇部興産株式会社(本社:宇部市 社長:田村浩章)と参天製薬株式会社(本社:大阪市 社長:森田隆和)は、両社の共同研究の結果、眼科応用の可能性を見出したROCK※阻害剤(開発コード:DE-104)について、緑内障および高眼圧症を適応症とする治療剤として共同開発することで基本合意に達しましたのでお知らせします。
両社は、2001年より共同研究契約を締結し、眼科応用可能なROCK阻害活性を有する化合物の探索を共同で実施してきましたが、その中でDE-104が緑内障および高眼圧症の治療剤として有望な作用を持つことを見出しました。今後両社協力の下に、点眼液として開発を進め、製造販売承認取得をめざす予定です。なお、共同開発条件等の詳細は別途協議していきます。
緑内障での視野欠損は視神経の障害が原因となっていますが、その視神経障害をもたらす因子のひとつとして、目の中で産生される房水の流出が妨げられておこる眼圧の上昇が考えられます。DE-104は、現在市場で販売されている緑内障治療剤と異なる新規のメカニズムを持ち、複数ある房水の流出経路のうち、主要な経路からの流出を促進すると考えられ、強力な眼圧下降作用が期待されています。
両社は、緑内障および高眼圧症の治療に新しい作用機序を持つDE-104が加わることで、治療の選択肢が増え、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献できることを期待しています。
ROCK:
ROCK(Rho-キナーゼ)とは、細胞骨格調節蛋白質をリン酸化する酵素で、細胞骨格の制御に深く関与します。
発表記者クラブ:
大阪証券記者クラブ、兜クラブ、宇部記者クラブ、大阪化学工業記者クラブ、 道修町薬業記者クラブ、重工業研究会、化学工業記者会、本町記者会