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「調色リサイクル樹脂」を事業化

2006年10月12日
※ 本製品「UBEコンポジット®」は2017年3月末をもって販売を終了しました。

宇部興産株式会社(社長:田村浩章)は、顔料や染料で着色又は表面塗装された廃プラスチックの色調を変え、表面外観の優れたリサイクル樹脂を造る独自の技術を2003年に開発し、市場開拓を進めてきたが、今般、家電・自動車メーカーの採用を受け、事業化を決定(商標名「UBE-コンポジット®」)した。

プラスチックは通常、顔料や染料で着色し成形品へ加工したり、表面を塗装するといった工程を経て市場に供給されるが、リサイクルにあたっては、着色された様々な色が混ざり合ったり表面の塗膜片や細かい異物が混入してしまうので、黒色への調色による限定利用となっており、大部分のものは再利用されることなく産業廃棄物として処理されていた。

宇部興産は、蓄積されたコンパウンド着色技術を用いて光遮断性の強い顔料等を使用することにより、様々に着色された廃プラスチックを、要求された色に再着色するだけでなく、塗膜片などの混在物を見えにくくする技術を開発することに成功し、堺工場(大阪府)で1,600t の能力を持つリサイクル用コンパウンドの小型設備を設置、市場開拓を進めてきた。
特に成形品で多用されるシボ加工面では、再着色し、塗膜片を封じ込め、表面外観の優れたリサイクル樹脂による成形品を作ることができる。また、細かい異物程度であれば、シボ加工面でなくとも表面外観の優れた成形品が可能。

宇部興産では、既に家電・自動車メーカーといったプラスチックの各需要家と、この技術によるリサイクル樹脂の共同検討を多数実施し、各需要家の要求に応じたリサイクル樹脂のサンプル提供を行ってきたが、今般、相次いで正式採用が決まった。2011年には15億円の売上を見込んでいる。
実際の使用例としては、異なる着色がされた廃家電のプラスチックから再生されたリサイクル樹脂は、冷蔵庫や洗濯乾燥機の目に見える箇所に採用され、また、自動車の回収バンパーから再生したリサイクル樹脂は、塗膜片を封じ込めて自動車内装のコンソールボックスに採用される。

自動車のバンパーを粉砕したもの[A] [A]をリサイクルした自動車のコンソールボックス
自動車のバンパーを粉砕したもの[A] [A]をリサイクルした自動車のコンソールボックス

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