宇部興産株式会社（社長：竹下道夫）は、中国をはじめとするアジア地区でのカプロラクタム・ナイロンの需要拡大に対応するため、タイの子会社であるウベケミカルズアジア社[UBE Chemicals (Asia) Public Company Limited]（社長：チャルニア ピチットクン（Charunya Phichitkul））にてカプロラクタム・ナイロンの生産能力を下記のとおり増強する。
需要拡大が続くカプロラクタムについては、2万t/年の能力増強を決定した。総投資額は約30億円。2011年12月に完工し、2012年1月より商業運転を開始する予定。
この2万t/年の増強により、ウベケミカルズアジア社のカプロラクタム生産能力は13万t/年となる。
ウベケミカルズアジア社では、カプロラクタムを自家消費するナイロン6新設備の稼動開始（下記3）に伴い、外販量が減少するため、今回の能力増強によりカプロラクタムの供給不足へ対応するとともに、外販量減少をカバーする。
ナイロン6は特に中国をはじめとするアジア市場で順調な伸びを示しており、樹脂（エンジニアリングプラスチック）用・繊維用ともに旺盛な需要が続いている。このため、同地域では昨年来、ナイロン6の大型重合プラントが相次いで立ち上がり、カプロラクタムの供給が足りない状況になっている。
インテークマニホールドなど自動車部品向けの需要が好調なナイロンコンパウンドについても、5千t/年の能力増強を決定した。2011年12月に完工し、2012年1月より商業運転を開始する予定。
この増強により、ウベケミカルズアジア社のナイロンコンパウンド生産能力は1.1万t/年となる。
ナイロンコンパウンドの用途は、二輪・四輪車向けがほとんどであり、今後、特に自動車生産台数の伸びが期待される中国・インド・東南アジア地区での需要伸長が期待される。タイはこれら地域と自由貿易協定（FTA）を締結しており、宇部興産はウベケミカルズアジア社を拠点としてこれら地域の旺盛な需要に対応する。
建設を進めていたナイロン6樹脂の増設新設備（5万t/年）を本年10月より段階的に商業生産を開始する。
この設備は、マプタプット工業団地およびその周辺地域（ラヨ－ン県）で起こされた行政訴訟に伴い一時停止対象となっていたが、このたび、タイ中央行政裁判所が事業再開を認めたことを受け、当初計画より1年遅れての操業開始となった。
| 設立 | 2010年2月1日 |
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| 所在地 | （本社）タイ王国バンコク市 （工場）タイ王国ラヨーン県 |
| 代表者 | Dr.Charunya Phichitkul（チャルニア ピチットクン。宇部興産（株）常務執行役員兼務） |
| 資本金 | 8,804百万バーツ |
| 出資比率 | 宇部興産（株）約93％、丸紅グループ約6％、その他約1％ |
| 事業内容 | ナイロン樹脂、ナイロンコンパウンド、カプロラクタム、硫安、その他製品の製造・販売 |
| 従業員数 | 493名 |
| ウベケミカルズアジア社のカプロラクタム製造設備 | ウベケミカルズアジア社の新しいナイロン6製造設備 |
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