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「マリン系香料の新製法の開発」が第60回 日本化学会「化学技術賞」を受賞

2012年2月10日

宇部興産株式会社(社長:竹下道夫)は、社団法人日本化学会*1より「化学技術賞」を受賞しました。この賞は日本の化学工業技術に関して特に顕著な業績のあった技術者に贈られるものです。

今回、受賞対象となったのは、香水やシャンプー等に幅広く使用されているマリン系香料の新製法に関するものです。従来、この香料は東南アジアなどに自生するクスノキ科の木(サッサフラス等)の根から取れる精油を原料として製造されていました。しかし、木の乱伐によりこれらの木が絶滅の危機に瀕するとともに、森林破壊やそれに伴う水害等が深刻となり、供給不安も問題となっていました。

宇部興産はこれらの問題を解決するために、完全化学合成によりマリン系香料の新製法を世界で初めて開発することに成功しました。本製法では革新的な触媒反応を開発すると共に、全工程で触媒反応を活用し、有機溶媒を使用しないことでグリーンプロセスを実現しています。さらに本製法に置き換わることで、絶滅危惧種を含む50万本以上の木の伐採が必要なくなり、地球環境の保全と生物多様性の維持に貢献しています。このように独創的な技術力と環境保全に対する実績が高く評価され、受賞にいたりました。

宇部興産は2004年にこの化学合成によるマリン系香料「ヘリオフレッシュ®」の商業生産を開始しましたが、その高い品質とコスト競争力が評価された結果、現在、世界シェアはほぼ100%となり全世界に供給しています。
宇部興産は、今後も地球環境に優しい技術や製品の開発を行い、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

受賞対象 「マリン系香料の新製法の開発」
受賞者 杉瀬良二、宮武孝、土井隆志、白井昌志、吉田佳弘
*1
日本化学会は、1878年(明治11年)に創立され、130年以上の 歴史と伝統を持ち、会員約3万2千名を擁するわが国最大の化学の学会です。

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