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中国における炭酸ジメチル(DMC)合弁会社の設立について

2012年4月9日

宇部興産株式会社(本社:山口県宇部市、社長:竹下道夫。以下「宇部興産」)は、炭酸ジメチル(DMC)の合弁会社を中国に設立することについて、河南省中原大化有限公司(本社:中国河南省濮阳市、董事長:陳国平。以下「中原大化」)、並びにハイケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:高潮。以下「ハイケム」)と合意しました。

合弁会社は、中国第二の石炭事業会社でアジア最大の石炭ガス化企業でもある河南煤業化工集団の化学子会社である中原大化が51%、中国での化学品事業に精通しているハイケムと宇部興産がそれぞれ24.5%を出資して河南省濮阳市に設立予定で、宇部興産からDMC製造技術ライセンスを受け、濮阳市にある中原大化の工場隣にDMC10万t/年の製造設備を建設し、2013年内の稼動開始を目指します。

DMCは樹脂原料、医農薬原料の他、無公害型の塗料溶剤として注目されており、更に中国ではガソリンや特に軽油の無公害型添加剤として、また世界的なエコカー(HEV、EV)の需要本格化に伴い、リチウムイオン二次電池(LiB)の電解液溶剤としても需要急増が見込まれています。

中国は近年、資源として膨大な量を保有する石炭を燃料ではなく化学原料として利用し、付加価値を高めると共に環境対応を達成することを国家石化振興計画の一部として推進しており、一酸化炭素(CO)を潤沢に得られるガス化設備が増えています。

宇部興産はCOを原料に化学製品を製造するC1ケミカルで世界をリードしており、石炭や天然ガス利用の選択肢を広げるとともに温室効果ガスや廃棄物の排出低減に貢献する技術展開を進めています。
今回ライセンスする技術は、COを原料としてDMCを製造する宇部興産独自の気相ナイトライト技術で、高い安全性と生産性を誇り環境負荷も低いクリーンなプロセスです。宇部興産は、合弁会社からDMCを購入し高純度化することで電解液用途での自家消費や外販を行います。LiB電解液溶剤のトップメーカーとして今後の需要の伸張に対応するために、合弁会社設立により、DMCの安定調達を目指します。

宇部興産では1992年に宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内にDMC3,000t/年の製造設備を建設し、これまでに15,000t/年まで能力増強しており、20年間にわたる製造経験を基に合弁会社への技術指導を行います。

宇部興産は、LiB電解液の分野でも世界をリードしており、昨年12月に設立したザ・ダウ・ケミカル・カンパニーとの電解液合弁会社では現在、米国・中国・欧州に工場を建設し、グローバルな生産・販売体制を構築する計画を進めています。
今回のDMC合弁会社をはじめとして、今後、電解液溶剤となるDMCの高純度品についてもグローバルな供給体制を整え、需要拡大に対応してまいります。

なお、宇部興産、中原大化、ハイケムは、合弁契約の条件等、内容詳細は公表致しません。

合弁会社の概要

会社名 河南碳一新能源有限公司(Henan Tanyi New Energy Co., Ltd.)
所在地 河南省濮阳市石化路 人民路西段
資本金 2.88億人民元
出資比率 中原大化 51%、宇部興産 24.5%、ハイケム 24.5%
設立時期 未定
代表者 未定

中原大化の概要

会社名 河南省中原大化集团有限责任公司 (Zhongyuan Dahua Group Co., Ltd of Henan Province)
所在地 河南省濮阳市人民路西段
資本金 13.8億人民元
売上高 49億人民元(2011年12月期)

ハイケムの概要

会社名 ハイケム株式会社 (HighChem Co., Ltd.)
所在地 東京都千代田区岩本町2-13-6 ミツボシ第3ビル4F
資本金 9,980万円
売上高 278億円(2012年3月期)

宇部興産の概要

会社名 宇部興産株式会社 (Ube Industries, Ltd.)
所在地 山口県宇部市大字小串1978-96
資本金 584億円
売上高 6,160億円(2011年3月期・連結)

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