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B111

ポリアミドの粘度数

ポリアミド樹脂の物性値に粘度数があります。その求め方はISO307を基に、JIS K 6933で規定されています。

(1) 粘度数の計算式
  η ポリマー溶液の粘度(Pa・sec又はN/m2・sec)
  η0 溶媒の粘度(Pa・sec又はN/m2・sec)
  η/η0 ポリマー溶液の相対粘度
  c 溶液中のポリマー濃度(g/ml)
  VN 粘度数(ml/g)

溶媒と溶液の密度が実質上同等であれば、その濃度の溶液の粘度比は流下時間の比で与えられるため、溶媒と濃度0.005g/mlの溶液の25℃における流下時間をウベローデ型毛細管粘度計を用いて計測し、以下の式から算出します。

(2) 粘度数の計算式
  t ポリマー溶液の流下時間(sec)
  t0 溶媒の流下時間(sec)

以下にポリアミドの粘度数の測定例を示します。溶媒には96%硫酸を用いました。参考として重量平均分子量を記載しました。粘度数は樹脂の流動性の目安となりますが、分子量の指標ととらえることもできます。

試料 流下時間(sec) 粘度数
(ml/g)
重量平均
分子量*
1回目 2回目 3回目 平均
96%硫酸 122.93 123.14 123.04 123.04
A 270.63 270.66 270.94 270.74 240 75,000
B 242.26 242.35 242.42 242.34 194 55,000
C 202.36 202.25 202.32 202.31 129 35,000
  • * 重量平均分子量:自社内にてGPC測定で求めたPMMA換算分子量

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