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F096

反応管を用いた熱分解GC/MS法によるPBTの分析

熱分解GC/MS法は、ポリマーの組成を調べる目的のためには、簡便で有効な方法です。

最適な熱分解条件はポリマーにより異なりますが、PBTなどのポリエステル系樹脂は、TMAHなどの誘導体化試薬を使用することにより、効率的にモノマー単位に分解されます。

従来の方法は開放系であるため、熱分解誘導体化反応が十分に進行しませんでしたが、ガラス製反応管を用いた方法が開発され、反応の効率が飛躍的に高まりました。

図1および図2に、PBTを試料として、開放系と反応管を用いた系の測定結果を示しました。開放系ではモノマーよりも分子量の大きい成分が見られるのに対し、反応管を用いた系のほうは、効率よくモノマー単位に分解されることが明らかとなりました。

このように反応管を用いた分析により、より正確な組成分析が可能となりました。

図1:開放系のパイログラム

図1:開放系のパイログラム

図2:反応管を使用した系のパイログラム

図2:反応管を使用した系のパイログラム

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