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認証標準物質NMIJ CRMの分析 「炭化けい素中の微量元素分析」

分析データの信頼性を確保する方法の1つとして、計量トレーサビリティが確立された標準物質(認証標準物質)を用いた分析精度管理があります。弊社では、認証標準物質を使用し、分析法の妥当性確認を行っています。

その分析事例として、「炭化ケイ素中の微量元素分析」について紹介をします。

1.認証標準物質*1の詳細

提供元 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)
CRM No. 8001-a
物質名 炭化けい素微粉末(α形)
認証元素 Si、C、Al、Fe、Ti、Y(微量成分のAl、Fe、Ti、Yを分析)
  • *1 認証標準物質(CRM)とは、計量学的に妥当な手順によって値づけされ、値とその不確かさ、計量学的トレーサビリティを記載した認証書が付属している標準物質のこと

2.分析結果

表1:炭化けい素中の微量元素の分析結果
元素 Al(mg/kg) Fe(mg/kg) Ti(mg/kg) Y(mg/kg)
認証値*2 83.2±7.2 46.7±7.8 6.37±0.68 0.310±0.066
当社分析値*3 81 49 6.0 0.27
Zスコア -0.7 0.5 -1.1 -1.4
分析方法*4 ICP-AES ICP-AES ICP-AES ICP-MS
  • *2 認証値±拡張不確かさ
  • *3 n=3の平均値(3桁目を四捨五入し、有効数字2桁で記載)
  • *4 前処理は全てMW分解法で実施

3.Zスコア

Zスコアの評価基準

正規分布を用いる統計学的検定法で、分析値と認証値に有意な差があるかを検定する方法です。下記の式(1)から算出されます。

Zスコア=(分析値-認証値)/標準不確かさ・・・(1)

4.まとめ

全ての微量元素について、Zスコアの評価基準で「|Z|≦2 満足」の結果を得ることが出来ました。弊社の分析結果は、信頼性が確保されていると言えます。今後も引き続き信頼性の高い精確なデータを提供するために、技術レベルの向上に努めていきます。

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