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I287

認証標準物質NMIJ CRMの分析 「PP樹脂中の重金属分析」

分析データの信頼性を確保する方法の1つとして、計量トレーサビリティが確立された標準物質(認証標準物質)を用いた分析精度管理があります。弊社では、認証標準物質を使用し、分析法の妥当性確認を行っています。

その分析事例として、「PP樹脂中の重金属分析」について紹介をします。

1.認証標準物質*1の詳細

提供元 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ)
CRM No. 8133-a
物質名 重金属分析用PP樹脂ペレット
認証元素 Cd、Pb、Cr、Hg
  • *1 認証標準物質(CRM)とは、計量学的に妥当な手順によって値づけされ、値とその不確かさ、計量学的トレーサビリティを記載した認証書が付属している標準物質のこと

2.分析結果

表1:PP樹脂ペレット中の重金属元素の分析結果
元素 Cd(mg/kg) Pb(mg/kg) Cr(mg/kg) Hg(mg/kg)
認証値*2 94.26±1.39 949.2±7.5 895.2±9.6 941.5±19.6
当社分析値*3 94 944 890 950
Zスコア -0.5 -1.2 -0.9 0.5
分析方法*4 ICP-AES ICP-AES ICP-AES CV-AAS
  • *2 認証値±拡張不確かさ
  • *3 n=3の平均値(3桁目を四捨五入し、有効数字2桁で記載)
  • *4 前処理は全てMW分解法で実施

3.Zスコア

Zスコアの評価基準

正規分布を用いる統計学的検定法で、分析値と認証値に有意な差があるかを検定する方法です。下記の式(1)から算出されます。

Zスコア=(分析値-認証値)/標準不確かさ・・・(1)

4.まとめ

全ての元素について、Zスコアの評価基準で「|Z|≦2 満足」の結果を得ることが出来ました。弊社の分析結果は、信頼性が確保されていると言えます。今後も引き続き信頼性の高い精確なデータを提供するために、技術レベルの向上に努めていきます。

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