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I290

価数別分析の紹介「灰分中の5価Vの分析」

固体試料の価数別分析では、分析対象成分の価数変化を抑制しながら、試料の分解や分析対象成分の抽出を行う必要があります。精確な定量分析を行うためには、試料前処理法や測定法の検討が必須であり、分析法の妥当性確認には、標準試料や試薬を用いた添加回収実験が有効です。ここでは、「灰分中の5価Vの分析」について紹介します。

1.分析フローと分析結果について

5価Vを試料に添加した場合は、約90%以上が5価Vとして定量されています。また、4価Vを添加した場合は、5価Vとして定量されるVは10%未満に抑制されています(表1)。
この結果より、前処理中の価数変化は、ほぼ抑制されていると考えられます。

また、抽出法による分析では、分析対象成分の抽出率が問題となりますが、本法では、ろ過残さに5価Vがほぼ残存していないことを確認しています。

図1:NaOH抽出/吸光光度法による灰分中の5価Vの分析フロー
図1:NaOH抽出/吸光光度法による灰分中の5価Vの分析フロー
      表1:Vの添加回収実験の結果
表1:Vの添加回収実験の結果
表2:灰分中の5価Vの分析結果
表2:灰分中の5価Vの分析結果

2.まとめ

弊社では、材料の成分と分析対象成分に適した前処理法・測定法の開発を行っています。今後も引き続き信頼性の高い精確なデータを提供するために、技術レベルの向上に努めていきます。

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