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I342

試料の溶液化(湿式分解)

ICP-AESやICP-MSで試料中の元素を分析する場合、あらかじめ酸やアルカリで分解し溶液化する必要があります。湿式分解は最も基本的で多用されている分解方法です。図にポリマーの分解操作の一例を示しました。また、表には湿式分解の特徴を示しました。

図:ポリマーの湿式分解例

図:ポリマーの湿式分解例

表:湿式分解の特徴
長所
  • 加圧酸分解やマイクロ波分解と比較して試料量を多くできる(最大約0.5g)
  • 多くの数の分解を同時に並行して行える。
  • 分解の様子を目視できるため、確実に分解ができる。
短所
  • セラミックなどの難分解性試料の分解ができない
  • 開放系分解であるため分解中に揮散する元素がある(Si,P,Sなど)。
適した試料 ポリマー、金属など
不適な試料 金属の酸化物、窒化物、炭化物など(セラミックス)
測定可能元素 アルカリ・アルカリ土類金属、遷移金属、重金属
測定不可元素 ホウ素、ケイ素、リン、硫黄、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、テルル、水銀、一部貴金属元素

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