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O200

微量有機物の分析(2)
−実験室大気中の微量有機物分析−

建築物を新築又は改装した場合、建材等からの微量揮散ガスで汚染されています。大気中の微量有機ガスを調べる方法として、TCT-GC/MS法があります。TCT-GC/MS法の概念図を図1に示しました。(a) 捕集管に大気を捕集し、次に、(b) 捕集管をTCT-GC/MS装置に装着し、測定します。

研究所の実験室を改装した直後の大気を分析し、得られたGC/MSのTICクロマトグラムを図2に示しました。酢酸エチル、トルエン、置換ベンゼン等、溶剤として使用される有機物が多量に検出されました(総有機物:トルエン換算で950ng/L)。同じ場所の大気を1週間後に測定し、得られたGC/MSのTICクロマトグラムを図3に示しました。TICクロマトグラムの10〜16分付近の成分が減少していることが分かります(総有機物:トルエン換算で240ng/L)。

図1:TCT-GC/MSの概念図

図1:TCT-GC/MSの概念図

図2:実験室大気のGC/MSのTICクロマトグラム(改装直後)

図2:実験室大気のGC/MSのTICクロマトグラム(改装直後)

図3:実験室大気のGC/MSのTICクロマトグラム(改装1週間後)

図3:実験室大気のGC/MSのTICクロマトグラム(改装1週間後)