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O403

無電解めっき液の組成分析

無電解めっきは、硬度が高く、耐食性にすぐれ、複雑な形状にも均一な膜厚でめっきができるため、自動車、電子機器、精密機器、その他の部品に多く用いられています。一方、様々な用途に対応するため、表に示す様な種々の添加剤が含まれています。

添加剤はめっきの性能を左右する極めて重要な成分なので、その種類・量を正確に把握できる分析法が望まれています。しかしながら、例えば、めっき液中の有機成分を分析する場合、多量の無機塩が妨害するため、無機塩の脱塩や煩雑な前処理が必要不可欠となります。

表:無電解めっき液の主な組成
液組成 添加量
硫酸塩、硝酸塩、次亜リン酸(還元剤) 数〜数十%
有機酸(クエン酸、乳酸、リンゴ酸、etc) 数〜数十%
金属(鉛、ビスマス、パラジウム、etc) 少量

めっき液の分析に関し、キャピラリー電気泳動法(CE)が迅速かつ簡便な方法として、非常に有効です。一例として、ニッケルめっき液(模擬液)のCEフェログラムを下図に示しました。前処理は希釈のみで、短時間で各成分の分離分析と定量分析が可能となりました。また、CE/MSにより、各成分の同定が可能です。

図1:Niめっき液(模擬液)のCEフェログラム(各100ug/ml)

図1:Niめっき液(模擬液)のCEフェログラム(各100ug/ml)

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