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O452

元素分析におけるNaの妨害

元素分析(CHN分析)では、試料を燃焼させた際に発生するガス(CO2、H2O、NO2)を検出し、試料中のC、H、Nの含有率(wt%)を算出します。ただし、金属元素が共存する場合には、定量値への影響、装置や充填剤の破損、劣化が起こることがあります。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属は、燃焼の際に炭酸塩を生成し、Cの定量値に影響を及ぼすことが知られています。一例として、Naを含有する試料(EDTA;図1)についてCHN分析を行った場合、定量値にどのような影響が現れるか紹介します(表1)。

図1:試料のCHN及びNaの含有率

図1:試料のCHN及びNaの含有率

表1:CHN分析結果

  (単位:wt%)
試料 C H N
EDTA 41.11
(+0.01)
5.53
(+0.01)
9.65
(+0.06)
EDTA-2Na 31.07
(-1.20)
4.85
(-0.02)
7.50
(-0.03)
EDTA-4Na 24.58
(-1.98)
4.45
(-0.01)
6.15
(-0.04)
( ):理論値からのずれ

表1の結果から、Naが共存する場合には、Cの定量値が低下することが分かります。また、その低下量は、Na含量が多いほど大きいことが分かります。

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