HOME > 分析対象 > 自動車 > リチウムイオン二次電池
O459

11B-NMR測定(19Fデカップリング)

フッ化ホウ素化合物は、リチウム電池の電解質塩、合成触媒、ドーパント等の様々な用途で利用されています。フッ化ホウ素化合物の化学種の定性手法のひとつとして、ホウ素−核磁気共鳴分析(11B-NMR)の分析事例を紹介します。

図1にNaBF411B-NMRスペクトルを示します。シグナルが5本に分裂(カップリング)していることが分かります(図1、上段)。これは、Bに対してFが4つ結合していることを示しています。さらに、BとFが結合していることを検証する方法として、19Fの影響を消去(19Fデカップリング)したスペクトルを下段に示します。その結果、シグナルは1本となり、確かにFとの結合による分裂(カップリング)であったことが分かります。

このように、11B-NMR測定ならびに、19Fデカップリングした11B-NMR測定によって、Bに対してFがいくつ結合しているかを明らかにすることができます。

図1:NaBF4の11B-NMRスペクトル

図1:NaBF411B-NMRスペクトル

上段:19Fデカップリングなし、下段:19Fデカップリングあり

前のページに戻るこのページのトップへ