HOME > 分析対象 > 材料 > 有機材料
O461

CryoProbeによる微量成分の2D-NMR測定

NMRは有機物の組成分析に非常に有用な装置です。例えば、有機物の構造解析や定量分析、有機金属化合物の分析やLi電池材料の分析などが可能です。しかしながら、構造解析に必要な各種2D-スペクトルを得るには通常10mg程度の試料量が必要で、微量な場合、精密な解析が困難でした。そこで、より少量(数百μg)での分析が可能となるようCryoProbe(ヘリウムガスで極低温にすることで熱雑音を取り除き、高感度化した検出器)を導入しました。

今回、キニーネ(1mg/ml)を用い、2D-NMRの一つであるHMQC(炭素と水素の相関が判る手法)をCryoProbeと従来Probeで測定しました。その結果、AおよびBの領域で従来Probeでは見えていない炭素と水素の相関がCryoProbeでは検出され、高感度に測定できているのがわかります。
この様にCryoProbeでは微量でも構造解析に十分なスペクトルを得ることができます。

図1:キニーネ

図1:キニーネ

図2:キニーネのHMQCスペクトル

図2:キニーネのHMQCスペクトル

前のページに戻るこのページのトップへ