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O492

31P-NMR測定による有機リン化合物の構造解析

核磁気共鳴分析(NMR)は、有機リン化合物の構造解析に非常に有効な分析法です。一般的には、1H-NMR、13C-NMR及びそれらの各種二次元NMR測定を行い、構造解析を行います。さらに有機リン化合物の場合には、31P-NMR測定にて有益な構造情報を得ることができます。数結合以内にHとPが存在する場合には、1H-31P間のカップリングによって、シグナルの分裂が生じます。その分裂の幅(結合定数:JPH)を解析することで、構造を推定することができます。

一例として、亜リン酸ジメチルと、亜リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムの31P-NMRスペクトル(上段:1Hデカップルあり、下段:1Hデカップルなし)を示します。その結果、特徴的な1JPH3JPHのカップリングが確認されました。このようなJPHを調べることにより、P近傍の構造を推定することができます。

図:各リン化合物の31P-NMRスペクトル(上段:1Hデカップルあり、下段:1Hデカップルなし)

図:各リン化合物の31P-NMRスペクトル(上段:1Hデカップルあり、下段:1Hデカップルなし)

亜リン酸ジメチル

亜リン酸ジメチル

亜リン酸水素二ナトリウム

亜リン酸水素二ナトリウム

リン酸三ナトリウム

リン酸三ナトリウム

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