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O513

19F-NMR測定(ホモデカップリング)によるF含有化合物の構造解析

NMRにおいて19F-NMR分析は、そのシグナルのケミカルシフト及びカップリングから構造情報が得られることから、広く用いられています。今回は、19F-NMR測定手法のひとつである、ホモデカップルについて紹介します。この手法により、複数のFを含む化合物において、そのF同士が近い位置、例えば3つの化学結合を経たスピン結合(3J、ビシナルスピン結合F-C-C-F)に存在している(カップリングしている)ことを明らかにする事ができます。

一例として、図1に1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタンの19F-NMRスペクトル(通常測定、下段)及び19F-NMRスペクトル(ホモデカップリング、上段)を示します。bのシグナルへ選択的にラジオ波を照射することにより、bのシグナルの消去とともに、bのシグナルからのカップリングを消去することができます。その結果、aのシグナルがダブレットからシングレットに変化しました(カップリングが消去されました)。つまり、bのシグナルとaのシグナルの間にはカップリングがあったことを示しており、bとaは結合を介した近い位置に存在することが分かります。このように19F-NMRホモデカップル測定により19F同士の位置関係(カップリング)を知ることで、より明確に解析を行う事が可能になります。

図1:1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタンの19F-NMRスペクトル

図1:1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタンの19F-NMRスペクトル

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