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イオンモビリティスペクトロメトリー(IMS)による化合物の分離・分析

イオンモビリティスペクトロメトリー(IMS)とは、混合物中の化合物を、その嵩高さ(衝突断面積)によって分離する手法です。試料はイオン源によって気体状のイオンとなり、パルス状にIMSセルに導入されます。IMSセルはN2ガスで満たされており、進行方向に印加された静電場によってイオンが移動する際、嵩高い化合物ほどN2分子との衝突が頻繁に起こり、移動度が低下します。それにより生じる通過時間(ドリフトタイム)の差により化合物を分離できます。IMSは、従来の分離・検出技術である質量分析(MS)に新たな選択肢を与える分析手法として期待が高まっています。

図:IMSの概念図

図:IMSの概念図

Ω:衝突断面積 tD:ドリフトタイム mI:化合物イオンの分子量 z:価数
その他の変数は装置パラメーターに依存

イオン化された化合物の衝突断面積(Ω)は、上の式よりドリフトタイム(tD)と質量電荷比(m/z)のみに依存し、その化合物に固有の値となります。したがって、IMSをMSと組み合わせたIMS-MSでは、MSで推定した組成式とIMSによる衝突断面積の情報より、分子量が同一の成分の分離分析や、化合物の立体構造についての高精度な解析を行うことが可能になります。さらに、LCと組み合わせて用いることにより、LCで分離できない構造異性体などの定性分析にも威力を発揮します。

測定例については、技術資料「イオンモビリティ質量分析(IMS-MS)によるポリマー中の顔料の分析」および技術資料「イオンモビリティ分離によるスルホン酸化合物の分析」をご参照ください。

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