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エポキシ系接着剤のDSC測定による熱硬化挙動解析
−熱硬化性樹脂の硬化挙動測定−

エポキシ系熱硬化型接着剤は2液タイプが主流で、主剤、硬化剤を混合して使用するように設計されています。主剤はビスフェノールA型のエポキシ樹脂、硬化剤は脂肪族アミンが主になっています。DSCによりこの硬化反応、およびガラス転移点(Tg)を測定することができ、硬化の進行状況や硬化物の評価を行うことができます。

ここでは、エポキシ系2液型接着剤を用い、DSCを測定した結果を下記に示す。

接着剤のDSCデータ

(1)主剤のみ

グラフ1:主剤のみ

(2)硬化剤のみ

グラフ2:硬化剤のみ

(1)主剤のみを測定した結果、-22℃にTgが見られ、(2)硬化剤のみでは-42℃にTgが確認できます。

(3)主剤:硬化剤=1:1 1st heating

グラフ3:主剤:硬化剤=1:1 1st heating

(4)主剤:硬化剤=1:1 2nd heating

グラフ4:主剤:硬化剤=1:1 2nd heating

(3)の主剤:硬化剤(=1:1)混合物の1st heating時では2℃付近にTgが、また70〜150℃間に硬化による発熱反応が認められます。

(4)の2nd heating時では、15℃(Soft SG)と107℃(Hard SG)にTgが確認され、硬化が進んだことがわかります。

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