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S397

GaN中の転位解析
−TEMによるGaN中転移構造の詳細観察−

白色LEDに用いられるGaNはサファイア等の基板上に成膜されます。GaNと基板間の格子定数の不整合(GaN基板を除く)により基板界面で転位が生じ、これが上部発光層まで貫通することにより発光特性に影響を与えると言われています。この転位を低減することと共に、転位の種類を調べることも重要と考えられます。TEMを用いて市販白色LEDのサファイア基板上GaN中の転位を解析した例を示します。

断面TEM写真(明視野像)を図1に示します。GaN/サファイア基板界面から転位が生じ、上部電極付近まで貫通していることが分かります。次に同一視野を二種類の条件で測定した断面TEM写真(暗視野像)を図2に示します。六方晶構造であるGaNでは刃状転位、らせん転位、混合転位が存在すると考えられます。そのうち図2(a)ではらせん転位が、図2(b)では刃状転位が消失する条件となっています。このことから、例として図1中の赤矢印が刃状転位、緑矢印がらせん転位、白矢印が混合転位に対応すると考えられます。

図1:断面TEM写真(明視野像) 図2:断面TEM写真(暗視野像)
図1:断面TEM写真(明視野像) 図2:断面TEM写真(暗視野像)
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