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S402

Cs(球面収差係数)補正STEM

Cs(球面収差係数)補正STEMとは、電子レンズの球面収差補正機能を付加し、高分解能化が図られた顕微鏡です。球面収差は、レンズの近軸を通過する電子線が結ぶ焦点と、外側を通過する電子線の焦点がずれることにより発生します。このずれを6極子の球面収差補正器*1を用いて取り除くことにより、0.1nmという非常に細いビームを得ることができ、同時にビーム電流量も飛躍的に増大します。

図1において、収差補正有りと無しの電子線とビーム形状を簡略化して比較しました。このビームを用いて、Siの110晶帯軸入射条件で測定したADF(Annular dark field)-STEM像を図2に示しました。0.136nm間隔で配置しているSiの原子カラムが分離して観察されています。

*1 Haider et al.,Nature 392,23(1998)

図1:Cs補正有りSTEM(左図)とCs補正無しSTEMの光線図とビーム形状の比較
図1: Cs補正有りSTEM(左図)とCs補正無しSTEMの光線図とビーム形状の比較
  Cs補正STEMではビームが試料上の1点に焦点を結んでいるが、右図では結んでいない
図2:Siの110晶帯軸入射条件で測定したADF-STEM

図2:Siの110晶帯軸入射条件で測定したADF-STEM

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