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S464

Ar-GCIBを利用した無機材料の化学状態の評価

Arガスクラスターイオンビーム(Ar-GCIB)は有機物を低損傷でエッチングできる手法ですが、一方で無機材料のエッチングレートが非常に低いという特徴を持っています。このため、Ar-GCIBは無機材料表面の有機物をクリーニングする手法としても非常に有用です。

例えば、Ar-GCIBとXPSを組み合わせることで、汚染等で有機物が付着した無機材料表面の化学結合状態を調べることが可能になります。特に、従来Arモノマーイオンを用いたエッチングや、試料を装置内で加熱する手法を適用できなかった試料の化学状態の評価で威力を発揮します。

TiO2粉末表面のクリーニング例を示します。Arモノマーイオンでは酸素の選択エッチングにより還元され、化学状態が変化してしまうためクリーニング後の評価を行うことはできませんでしたが、Ar-GCIBでは低損傷での有機物除去が可能であり、クリーニングによる化学状態の変化が少ないことが分かります。

図1:エッチングによるTiO2粉末の還元      図2:Ar−GCIBによる有機物除去効果
図1:エッチングによるTiO2粉末の還元      図2:Ar−GCIBによる有機物除去効果
     

GCIBでは無機物のエッチングレートが低く
試料損傷(化学状態の変化)も少ない

 

有機物をCarbide化無しに除去可能

Ar-GCIBによるクリーニングを用いることで
有機物で汚染された無機材料表面の化学状態の評価が可能です。

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