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S465

化学結合状態の温度変化の測定

XPSは試料表面の原子の組成比や化学結合状態を調べることができる分析手法です。金属や絶縁体を問わず1mmφ程度の領域の平均的な評価が可能であり、装置内で加熱・冷却することで温度による構造の変化を調べることができる点も強みです。例として、加熱によるCu(U)からCu(T)への変化の測定例を示します。

試料は大気中で加熱酸化させたCu板を用いました。室温ではCu(U)に特徴的なサテライトピーク(左下図*部)が検出されていますが、加熱によりサテライトピークが減少し、Cu LMMスペクトルのピーク位置もシフト(右下図点線部)していることから、Cuが2価から1価に変化したことが分かります。

CuO板のXPS加熱実験によるCu2pスペクトル      CuO板のXPS加熱実験によるCu LMMスペクトル
図1:CuO板のXPS加熱実験によるCu2p(左)とCu LMM(右)スペクトル

XPS加熱冷却測定の仕様およびオプション

  • 測定温度は-100〜500℃まで
  • 装置導入サイズは20×10×3mm以下(測定は試料中央部)
  • ArモノマーとArガスクラスターによる装置内での清浄化に対応
  • Arグローブボックスを利用した大気非暴露のサンプリング可能
  • UPSによる価電子帯の測定可能(導電性材料に限る)

※ 粉末試料や多量のガスを放出する試料は前処理が必要ですので事前にご相談ください。

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