HOME > 分析対象 > 材料 > 高分子材料
S469

nanoTAによる熱物性評価

装置:Anasys Instrument社製nanoIR(図1)
nanoTAの機能では、加熱機構を有するカンチレバーで試料のAFM像を得た後、目的箇所を加熱します。加熱に伴い試料が軟化すると、カンチレバーが試料内部へ侵入します。このカンチレバーの変位を検出することにより、試料の微小領域の軟化点を評価することが可能です。測定の模式図を図2に示します。
図2:nanoTA測定模式図
図1:装置の概観
図1:装置の概観 図2:nanoTA測定模式図

ペレット状のナイロン6と繊維状のナイロン6をnanoTAで分析した結果を、図3に示します。同じナイロン6でも、ペレット状のものは軟化点256℃を示し、繊維状のものは軟化点175℃を示しました。

この比較を、ナイロン6の熱物性値(融点・ガラス転移点)とともに、表1にまとめます。表1から、nanoTAで検出される軟化点は、融点ともガラス転移点とも異なることが分かります。

以上より、nanoTAによる熱物性評価は、その特殊な測定方法や試料自体の熱履歴の影響を強く受けるため、あくまで軟化点を測定するものであり、融点の測定はできないということに注意が必要です。

図3:nanoTAの測定結果

図3:nanoTAの測定結果

表1:測定値と文献値の比較
ナイロン6
試料形態
測定値
軟化点
文献値
融点 ガラス
転移点
ペレット 256℃ 225℃ 50℃
繊維 175℃

※ このページの内容の一部は、Anasys Instruments社HP(http://www.anasysinstruments.com/)から引用しています。(2014年3月時点)

前のページに戻るこのページのトップへ