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S504

PtRu合金触媒のSTEM-EDS分析

固体高分子型燃料電池は、クリーンでエネルギー効率の高い発電方法として、自動車および定置型家庭用電源として技術開発が進んでおり、一部で実用化されています。しかしながら、燃料中に極微量なCOが存在するとアノード触媒に吸着され触媒活性が著しく低下します。これに対し、PtRu合金を触媒として用いることでCO被毒に対する耐久特性が向上します。

ここでは、カーボンに担持したPtRu合金触媒を用いて、STEM-EDS分析により触媒粒子の組成分布について調べました。

図1にPtRu合金触媒のEDSマッピング結果を示します。赤で示したものはPt、緑はRu、黄色はPtとRuが共存している領域を表しています。EDSマッピングの結果、全ての粒子からPtとRuが認められ、合金化していると考えられます。合金組成は均一ではなく、例えば矢印で示した粒子(粒子1、2)のように、粒子によって異なる場合が確認されます。さらに、粒子表面側でPtリッチである粒子も多く認められます。

触媒粒子の構造および組成をより詳細に調べるため、粒子1、2について行なったEDSマッピング結果を図2に示します。粒子1は、表面側でPtリッチとなっていますが、粒子2では粒子全体にPtとRuが分布しています。また、マッピング結果より、粒子1と粒子2の粒子全体のEDSスペクトル抽出し、PtとRuの組成比を求めました。粒子2は粒子1と比べ、Ruリッチ組成の合金粒子であることが分かります。

(a)暗視野STEM像 (b)Ru-L像 (c)Pt-M像 (d)合成像

図1:PtRu触媒のEDSマッピング
(a)暗視野STEM像、(b)Ru-L像、(c)Pt-M像、(d)合成像

図2:PtRu触媒粒子のEDSマッピングおよびEDSマッピングより求めた触媒粒子の組成 図2:PtRu触媒粒子のEDSマッピングおよびEDSマッピングより求めた触媒粒子の組成 図2:PtRu触媒粒子のEDSマッピングおよびEDSマッピングより求めた触媒粒子の組成 図2:PtRu触媒粒子のEDSマッピングおよびEDSマッピングより求めた触媒粒子の組成

図2:PtRu触媒粒子のEDSマッピングおよびEDSマッピングより求めた触媒粒子の組成

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