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S505

粒子表面に存在するポリマー層のTEM観察

粒子表面に様々な処理や改質を行なうことで、粒子の特性向上や高機能化する試みが行なわれています。その1つとして、粒子表面に有機ポリマー等の高分子を吸着させ、立体障害や電荷の反発によって粒子同士の凝集を防止する粒子の分散安定化があります。

ここでは、市販の窒化珪素粉末に分散安定剤として用いられるPVP(ポリビニルピロリドン)を添加し、粒子の表面状態をTEMにより観察しました。図1に(a)PVPなしおよび(b)PVPを添加した窒化珪素粉末のTEM写真を示します。PVPなしの粒子は、自然酸化膜と考えられる非常に薄いアモルファス層が観察されます。一方、PVPを添加した粒子は、表面に約5〜10 nm程度のアモルファス膜が認められます。これは、粒子表面に吸着し粒子全体を被覆しているPVP由来の有機ポリマー層と推測されます。

(a)PVPなし
(b)PVP添加

図:窒化珪素粉末のTEM写真 (a)PVPなし、(b)PVP添加

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