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SE093

微量液体希釈法による嫌気性菌のMIC測定

様々な分野で利用される抗菌剤のMIC(最小発育阻止濃度)測定について、口腔細菌のStreptococcus mutans (NBRC13955)に対するオスバン液の測定例を示します。

実施例

96穴マイクロプレートを使用し、図1のように検体の希釈段階毎に3ウエル使用しました。ここでは最高用量0.1%、公比2で11段階の希釈系列にて実施しました。

図1:MICプレート(白濁は発育陽性)

図1:MICプレート(白濁は発育陽性)
MIC値は左から7列目の用量(0.0016%)であることがわかる。

観察・判定基準

1.発育陽性の判定基準
菌生育の有無は抗菌剤不含培地で生育したものをコントロールとして比較し、目視で観察する(不明瞭な場合は顕微鏡観察)。混濁または直径1mm以上の菌の沈殿が認められた場合、沈殿物の直径が1mm未満であっても沈殿塊が2個以上見られた場合を発育陽性(+)と判定する。
2.発育阻止の判定基準
菌の混濁または沈殿が認められない場合、沈殿があっても沈殿塊の直径が1mm未満で1個の場合は明らかな発育阻止(-)と判定する。また、MIC値は明らかな発育阻止された最低濃度であるが、微量液体希釈法において同一濃度の5ウエルに違いが見られた場合、明らかな発育阻止されたウエルが3ウエル以上認められた最低濃度とする。
3.試験の成立条件
・試料薬剤不含の培地において試験菌の明らかな発育が認められること。
・汚染菌の混入が無いこと。
[参考文献]    日本化学療法学会抗菌薬感受性測定法検討委員会報告(1992年)のIII.微量液体希釈法
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