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SE145

遺伝毒性試験における代謝活性化について

化学物質の中には体内で代謝された後、始めて変異原性を発現する物質があります。
この様な物質の変異原性も検出するために、in vitroの遺伝毒性試験(Ames試験、染色体試験、in vitro小核試験、マウスリンフォーマTK試験)では代謝酵素を含む肝臓の抽出物(S9)で処理して試験を実施します。(代謝活性化法)

例えばAmes試験においてベンゾピレンは代謝酵素により代謝活性化されて、変異原性活性を示します。反対に酢酸コバルト(Ⅱ)=四水和物はそのまま変異原性を示しますが、代謝活性化により変異原性を示さなくなります。

ベンゾピレン(Benzo[a]pyrene) :主に有機物質の不完全燃焼時に発生

ベンゾピレン(Benzo[a]pyrene) :主に有機物質の不完全燃焼時に発生

酢酸コバルト(Ⅱ)=四水和物 (Cobalt(II) acetate tetrahydrate):主に陶器顔料、医薬中間体などに使用

ベンゾピレン(Benzo[a]pyrene) :主に有機物質の不完全燃焼時に発生

化学物質そのものだけでなく、その化学物質の代謝物の変異原性も調べるために、in vitroの遺伝毒性試験は非代謝活性化法 (-S9)と代謝活性化法(+S9)を併用して行っています。

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