◆◇山口県の聴覚障害者労働白書◇◆

専任手話通訳者 梅田 晶子 キャラクター

昨年は災害や事件など、暗いニュースばかりで暮れていきました。今年は明るいニュースを、たくさん聞きたいものだと思います。
 さて、私は全国手話通訳問題研究会山口支部で「聴覚障害者の暮らし班」に属して、労働に関する活動に取り組んでいます。昨年は、山口県ろうあ連盟労働対策部と共に「山口県の聴覚障害者労働白書」を発行しました。労働施策や県内の雇用状況、ろうあ連盟会員に対するアンケート結果などを載せています。「山口県の聴覚障害者労働白書」
 その活動の中で行った、手話協力員・専任手話通訳者へのアンケートの中に、聴覚障害者からの通訳依頼で多いものに「職場でのトラブル」というのがありました。労働フォーラムでは聴覚障害者の人達から、「親睦行事は嫌いだ。自分達は食べて飲むだけで、聞こえる人達だけで騒いでいる」、「職場に聞こえないことに対する、理解が足りない」という声が多くありました。逆に、私が企業の方から聞く話の中には、「筆談で丁寧に説明し、分かったという返事も確認した。それなのに分かっていないことがある。どう考えたらよいのだろう」というのがあります。また、取材で伺った機関の中では、「手話は知らない人も多い。口話と筆談で通訳に頼らずコミュニケーションを取って行く努力が必要」という意見も聞かれました。
 これは、決して理解がないということではなく、聴覚障害とは何か?手話とは手話通訳とはなにか?聴覚障害者の人達がどう感じているのか?が伝わっていないのだと思います。「あきらめのうなずき」が両者の間に大きな溝を作っているように思います。プライバシーの問題もあり、なかなか表に出しにくい問題だと思いますが、やはり聴覚障害者の人達が「職場で感じている生の声」をもっともっと伝えていくことが必要だと思います。
 そこで、私達は「聴覚障害者労働実態聞き取り調査」を行うことにしました。「聴覚障害者100人に聞きました」と題して、県内を8地区に分け調査を行っています。各市の聴覚障害者福祉協会にお願いして、聴覚障害者の調査員と手話の読み取りの出来る健聴者の調査員各一名を推薦していただきました。このペアで年代、性別等条件に偏りがないよう聞き取り調査を進めています。ひとりA4一枚程度に内容をまとめてもらいますから、100人の物語が出来る訳です。もちろん会社名、個人名が特定されないよう、プライバシーに十分配慮していきます。今年中に本にまとめて、できるだけ沢山の方に読んでいただきたいと願っています。
 人間関係のトラブルは、コミュニケーションのまずさからきていることが多いように思います。この本を発行することで、コミュニケーションにハンディを持つ人々との、橋渡しができたらと思います。

リベルタス興産