MENU

女一人、駐在員生活を楽しんだ話 - SINGAPORE -

No.499/2019.07
建設資材カンパニー 監理部/ 森井 麻美
画:クロイワ カズ

シンガポールでの駐在を終えて、昨年末に帰国しました。シンガポールは東京に輪をかけたような近代都市。街も清潔で治安も抜群。女性1人で飲んでも安全に帰れると言われます。そこでの1年余りの生活は仕事の面でも余暇の面でも、とても充実していました。

シンガポールは、東南アジアのど真ん中に位置し、チャンギ空港は世界有数のハブ空港。この近隣の地方都市にも直行便があり、旅行に出かけるのにはピッタリです。遺跡に興味のある私が最初に旅したのは、インドネシアのジョクジャカルタ。首都のジャカルタと似た名前ですが、名前の由来はまるで異なります。歴史的にもジョクジャカルタの方がずっと古く、世界遺産に登録された「ボロブドゥール仏教寺院遺跡群」が有名です。この遺跡群を目の当たりにしたときは、この世にこんな素晴らしいものがあるのかと大感激でした。

とはいえ、駐在員生活で最大の癒しとなったのは、旅行ではなく、気の合った日本人仲間との女子会でした。シンガポールの在留邦人は約3万7千人。その殆どが長期滞在者です。日本人会でたくさんの友だちができました。週末には、10人ほどが料理を持ち寄って誰かの家に集まります。私は毎回買い物で間に合わせましたが、中には手の込んだスープや立派な日本料理もありました。それらをワインとともにテーブルに並べ少しずつ摘みながらのお喋りは時間を忘れてしまいます。勤務先や業種は異なっても、思考や考え方が共有できる人が多く、夜中まで喋っていても飽きません。

実は、入社時、会社に提出した書類の「特技」の欄に私は「料理」と書いた記憶があります。だから、女子会にも得意の料理を作って行くべきでしたが、その時間もないほど楽しいことが多かったのでしょう。