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Wカップ前売り券に熱狂した話 - BRAZIL -

No.452/2015.08
ウベ・ラテンアメリカ/ 金剛 仙太郎
画:クロイワ カズ

昨年6月、国中をフィーバーに巻き込んだWカップ・ブラジル大会での話です。競技は12の都市で行われますが、此処サンパウロでも多くの試合が予定されています。私たちはこの大会をビジネス・チャンスと捉えました。ブラジル人のサッカー好きは有名で、客先にも熱狂的なファンはたくさんいます。キーマンに入場券を贈れば大喜びされるはずです。

私たちオフィスの総勢は、日本人2名とローカル8名の10人。全員がひとつのファミリーです。入場券は抽選ですが、1人が4枚、7試合まで申し込むことが出来るので、10人では280の試合に応募できる計算です。

大会の全チケットは300万枚。ブラジル国内向けは230万枚。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるで、全員が手分けしてトライすることになりました。

人気のある試合は敬遠しました。倍率が高いうえに値段もベラボウです。また、席の善し悪しで値段も大きく違います。「CAT1」と名付けられた最高の席は1枚10万円もします。こんなのが何枚も当たれば、たちまち予算がパンク。スタッフ10名が何度も打ち合わせて綿密な作戦を立てました。募集が始まる前からオフィスの全員がフィーバー状態。もし1枚を手にした場合、誰に差し上げるかで私も色々悩みました。客先の喜ぶ顔が目に浮かびます。

入場券の募集は2013の6月から2度に分けて行われました。抽選に先立ち、私は市内にある神社に当選祈願のお参りをしました。そして、いよいよ当選の発表です。結果は—?

全員が応募した前売り券の当選枚数はゼロ!

「取らぬ狸の皮算用」とはこのことですが、それよりも、大会が無事に終わって本当に良かったと思います。