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マイカーの運転に緊張の極致を経験した話 - SPAIN -

No.465/2016.09
研究開発本部 研究企画グループ/ 松下 敏之
画:クロイワ カズ

スペインのバレンシア工科大学への研究派遣が決まり、あちらでは必需品とされる車を先輩から譲り受けることになりました。先輩は、車とキーをカステジョンにあるUBEの現地法人に置いたまま帰国。私はマイカーのピックアップにカステジョンを訪問しました。

車といえば、日本の既成概念では、オートマ、エアコン、カーナビそれにパワー・ウィンドウ、この4つは標準装備です。私もその積もりでした。事前の打ち合せ通り、以前から面識のある現地法人のS氏に問題の車まで案内してもらい、マイカーと初めての御対面。S氏からキーをもらって運転席に乗り込んだのはいいのですが、足元にはクラッチ・ペダルが!

「?」、これってマニュアル車?左ハンドルは覚悟していましたが、マニュアル車は全くの想定外。免許取得した時以来、10年以上のブランクがあります。忙しいというS氏に無理を言ってマニュアル運転の猛特訓。何とか、前進、後退だけは出来るようになりました。

次はカーナビです。買ったばかりの後付けのカーナビは操作方法が悪いのかGPSの電波を拾ってくれません。これは、スマホのグーグル・マップで何とか対応。カステジョンからバレンシアの自宅まで約1時間の冒険旅行の始まりです。

慣れない左ハンドル、スマホの小さな画面を見ながらの運転、初めて経験するロトンダ(交差点のロータリー)、即席のマニュアル運転等々、緊張の極致です。おまけにもうすぐ目的地という時点で、スマホの電池切れ警告!

何とか自宅に辿りついたものの暫くは放心状態です。その夜、熱が出て翌日の出勤はお休みに—。

「習うより慣れろ」で、やがて愛車とは呼吸もピッタリ。その後は、私の右腕として活躍してくれました。