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松下電工(株)へ2層CCL製造技術をライセンス供与

2004年5月6日

宇部興産株式会社(社長:常見和正、以下、宇部興産)は、松下電工株式会社(社長:畑中浩一、以下、松下電工)との間で、宇部興産の持つ2層フレキシブル銅張積層板(以下、2層フレキCCL)製造技術を松下電工にライセンス供与する契約を締結しました。設備投資、製造、販売は両社それぞれで行いますが、両社合わせての2層フレキCCL供給能力は段階的に増加し、2005年後半には330万m2となる予定です。
※ポリイミドフィルムと銅箔を連続的に貼り合せ、ロール状の2層CCLを製造するもので、特に両面板2層CCLを効率的に製造できる技術

市場の背景

2層フレキCCLの市場は、携帯電話やデジタルカメラなどの高機能化を背景として、需給が逼迫しています。現在の市場規模は500万m2/年程度で、今後も年率20%以上の拡大が見込まれます。なかでも、回路基板の高密度実装やファインピッチ化の進展に伴い、両面板2層フレキCCLの需要が急伸しています。

技術ライセンスのねらい

宇部興産は、モノマーからの一貫生産により寸法安定性に優れたポリイミドフィルムを製造しており、ロール2層フレキCCLの量産技術を確立するとともに市場への供給実績もあります。一方、松下電工はリジッド系プリント配線材料のトップメーカーで、世界各地に製造・販売拠点を展開し、技術力・マーケティング力・販売力に強みがあるため、同社と連携することにより、FPC(フレキシブル配線板)関連市場におけるシナジー効果が期待できます。

宇部興産は、ポリイミドを含む機能性材料事業をコア事業のひとつと位置付け、経営資源を集中投入し積極的な事業展開による業容拡大を図っていますが、その一環として2層フレキCCL(商品名:ユピセルN)についても事業拡大を推進しています。100%子会社である宇部日東化成株式会社(社長:山本森一郎)の岐阜工場内で稼動中の第1期、第2期製造設備に加え、2005年度半ばの稼動を目指して第3期設備の増設にも着手しました。さらに、需要が急速に拡大している市場においてユピセルのプレゼンスを一層高めるためには、自社増産に加え松下電工との協調によってユピセルファミリー(宇部興産のポリイミドフィルムをベースとした2層CCL)としての拡大を加速すべきと判断し、この度の技術導出を決定しました。また、技術ライセンス供与に伴い、2層フレキCCLに使用されるポリイミドフィルムの増販効果も見込まれます。

ご参考

2層フレキCCL 2層フレキCCL用途例
2層フレキCCL 2層フレキCCL用途例

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