宇部興産(株)(社長:常見和正)は、同社の開発品である石炭灰を利用した人工地盤材料『ゼットサンド』について、電源開発(株)(社長:中垣喜彦)、大成建設(株)(社長:葉山莞児)と共同で、建設技術審査証明事業の実施機関である(財)土木研究センターから建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術)を2004年11月5日付けにて取得し、本年2月4日に認定証の交付を受けた。
この審査証明は、同センター内に設置された国・学識経験者・研究機関などからなる「審査証明委員会」の審査・承認を経て、人工地盤材料としての高い性能と品質が証明されたものであり、宇部興産(株)では、このたびの審査証明取得を機に、リサイクル製品として高い性能を誇る『ゼットサンド』を、国や自治体を中心に土木・建設用材料としての利用を積極的に提案し、普及を図る方針である。
宇部興産(株)が1995年より開発してきた『ゼットサンド』は、石炭火力発電所等から発生する石炭灰(フライアッシュ)を造粒化した人工地盤材料であり、天然の砂質土と同等の品質・取扱い性能を有する。
路床・路体(盛土)・構造物の裏込めや埋戻し・河川築堤・土地造成向けなどに提供することで、石炭灰の有効活用による再資源化と、天然砂質土に替わる人工地盤材料の利用による環境保全を図ることができる。
『ゼットサンド』の地盤材料としての特長は、以下のとおり。
宇部興産(株)は、2001年度に(財)クリーンジャパンセンターの廃棄物再資源化実証実験事業を受託し、2002年度から2年間にわたり最大能力5万トン/年の石炭灰処理が可能な量産設備を沖の山コールセンター内(山口県宇部市)で稼動させ、『ゼットサンド』の製造及び用途開発の実証試験を実施してきた。その後、2004年4月1日より営業運転を開始、本格稼動に入っている。また、2002年度には、山口県リサイクル製品の認定も取得している。
現在までに公共工事をはじめとする『ゼットサンド』を用いた施工を30件以上実施し、地盤材料としての物理特性や強度および支持力特性、施工性、環境に対する安定性等について高い評価を受けている。
今後も土壌環境基準に適合する安価なリサイクル製品として公共工事向けなどへ拡販を図り、2007年度には約8万トンの販売を計画している。
主な用途 | 土木工事用等に用いられ、天然の砂や土(まさ土等の砂質土)の代替材料。路床、路体(盛土)、構造物の裏込めや埋戻し、河川築堤、土地造成の用途に使用する。 |
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組成 | 主原料としての石炭灰、固化材としてのセメント等の無機物及び水からなる。原料としての粉体を秤量後、バッチ式造粒機内で水を加えることで混合と同時に造粒が行われる。造粒後は、屋内で1~2日間養生を行った後、屋外で貯蔵される。性状としては、灰色で平均粒径が1mm程度の粉粒状。 |
特長 |
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