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宇部興産・荏原製作所の「加圧二段ガス化システム」が、文部科学省の科学技術賞を受賞

2005年4月20日

本日、宇部興産株式会社(社長:常見和正)と株式会社荏原製作所(社長:島川文雄)が共同開発し、事業化した「加圧二段ガス化システム(通称「EUP:荏原宇部プロセス」)によるケミカルリサイクル技術」が、我が国の科学技術分野において顕著な功績をあげたとして、文部科学大臣から科学技術賞(開発部門)を受賞した。
この賞は、我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象としたもので、今年度は当グループ他18件が受賞した。

受賞者氏名は下記の通り。

*亀田 修、林 茂也    (宇部興産 エネルギー・環境部門)
*佐藤 隆夫、杉山 秀子 (荏原製作所 環境事業カンパニー)

加圧二段ガス化システムは、廃プラスチックを分別することなく、加圧状態で運転される低温ガス化炉及び高温ガス化炉から構成される二段ガス化炉に投入、酸素及び蒸気を使用して熱分解及び部分酸化することにより、炭化水素をほとんど含まない水素・一酸化炭素主体のガスに改質する画期的なシステムである。
改質されたガスは、アンモニア等の化学工業原料、その他燃料電池やDME(ジメチルエーテル)などクリーンエネルギー等にも利用できる。
また、廃プラスチックに同伴する無機物や金属類については、前者は水砕スラグとして回収しセメント等建設資材原料に、後者は還元状態で回収されスクラップとして利用可能になるため、最終処分場の負荷低減にも大きく貢献する。
一方、環境面においては、廃プラスチックに含まれるダイオキシン類を高温ガス化炉で1,300℃以上の高温にて熱分解し、さらに瞬時に200℃以下に冷却するため合成・再合成の懸念がない。また、改質されたガスを化学原料等に利用することで、化石原料削減(CO2の排出を軽減)効果も非常に高い。

宇部興産と荏原製作所は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、社団法人プラスチック処理促進協会と共同でこのガス化システムの実証プラント建設及び実証試験を1998年度から開始し、実証成功後共同出資の(株)イーユーピー(山口県宇部市)を設立。現在は同社が、主に容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチックを原料として引き取り、加圧二段ガス化システムにてこれをガス化、宇部アンモニア工業(有)にアンモニア製造用原料ガスとして販売している。

宇部興産と荏原製作所は、今後も環境保全・省資源化を促進する最先端技術であるこのガス化システムを使って廃プラスチックの引き取り量を増やし、また、システム自体のライセンス供与も展開していく意向である。

加圧二段ガス化システム(EUP)全景

加圧二段ガス化システム(EUP)全景

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