宇部興産（株）（社長：田村浩章）の100％子会社であるUBE Engineering Plastics, S.A.及びUBE Chemical Europe,S.A.（共にスペイン バレンシア州カステジョン市）において、ナイロンR&Dセンターが完成し、またポリカーボネートジオール（PCD）/1,5-ペンタンジオール（1,5-PDL）プラントが稼動したことに伴い、きたる5月19日に現地にてこれら設備の竣工式が開催される。
この竣工式には、主要顧客、スペイン中央政府、バレンシア州及びカステジョン市の政府関係者、在スペイン日本国大使等が出席する予定。
宇部興産グループでは、日本（宇部）・アジア（タイ）・欧州（スペイン）3拠点でナイロン樹脂を生産している。これら3拠点におけるナイロン事業のR&D機能充実の一環として、2004年4月にUBE Engineering Plastics, S.A.にてナイロンR&Dセンターの建設に着工、2006年1月に建屋が完成し、現在研究開発業務を行っている。
これにより、研究開発を生産拠点に密接させ欧州マーケットの中に置くことで、顧客からの要求に迅速・的確に応え、顧客と一体となって製品開発を行っていくことが可能となる。また、欧州マーケット向けの新製品開発も視野に入れた研究開発を鋭意推進していく。
このR&Dセンターは、既にスタートしている日本、タイのテクニカルセンターとも連携し、欧州のみならずグローバルな競争を勝ち抜くための拠点となる。
1999年10月に稼動した1,6-ヘキサンジオール（1,6-HDL）プラントに続き、欧州でのスペシャルティケミカル製品分野の事業拡大のため2004年12月より建設着工していた、PCD/1,5-PDLプラントが2006年1月に完成、試運転等を経てこのたび本格稼動となった。
この2つのプラント稼動により、欧州における宇部興産グループの化学事業のスタンスを更に拡大することになる。
PCDプラントは生産能力3,000t/年。PCDはポリウレタンの原料として高耐久性（耐加水分解性、耐熱性、耐候性等）を付与することができるため、主に人工皮革や自動車用塗料、フロアコーティングの木工塗料などに使用され、需要が大きく伸長している。宇部興産はPCDの主原料であるジメチルカーボネート（DMC）及び1,6-HDLの両方を持つ世界唯一のメーカーである。
1,5-PDLプラントは生産能力400t/年。主にポリエステル、ポリウレタン及び医農薬の原料として需要が着実に伸びており、また近年、インク溶剤用途やコスメティック用途でも需要の増加が期待されている。
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| ナイロンR&Dセンター外観写真 | PCD/1,5-PDLプラント外観写真 |
