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1,6へキサンジオールのタイ新工場建設を決定

2008年9月25日

宇部興産株式会社(社長:田村浩章)は、予てより検討していたタイ国ラヨーン県での1,6へキサンジオール工場新設を正式に決定した。現地における製造・販売新会社「UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd. 」は既に設立済みで、併産する1,5ペンタンジオールを含め年産能力6,000tの設備を、同国の宇部興産グループが所有する敷地内に、2009年1月より建設を開始、2011年初頭から稼動させる予定。総投資額は数十億円で、フル生産時の売上高は1,300百万バーツを見込んでいる。

1,6へキサンジオールは宇部興産のファインケミカル事業の主力製品の一つ。その特性から高品質、高性能なポリエステル・ポリウレタン樹脂や接着剤原料などに使用され、特に近年では、環境負荷が低い材料として注目されるUV硬化型コーティング材への適用も進んでいる。世界需要が年率5~8%で伸びる中、中国を含むアジア市場は10%を超える最も高い成長率を示しており、今後も極端に需給逼迫状況が続くと予想される。

宇部興産は、ドイツのBASF、ランクセスと並ぶ三大サプライヤーの一つとして、既に日本(宇部市、堺市)とスペイン(カステジョン市)で1,6ヘキサンジオールを生産している。今回のタイ工場新設によりアジア市場の旺盛な需要に応えることで、グローバル市場における地位を更に強固なものとする。

タイ国では既にカプロラクタム、ナイロン、合成ゴム工場が順調に稼動している。本件は、現地で初のファインケミカル製品として、付加価値の高い機能品・ファイン事業展開を強化する方針を具現するもので、今後、新会社をアジア地域におけるファインケミカル事業の中核拠点に育成する予定。新工場の立地については、アジアの主要顧客に近いことに加えて、隣接する当社グループの工場から主原料、ユーティリティの供給を受けられること、およびメンテナンスや事務処理等のサービスを共有できるメリットも考慮した。

宇部興産は、日本とスペインで1,6へキサンジオールを主原料とするPCD(ポリカーボネートジオール)も生産しており、更に日本ではPCDを原料として環境対応型の機能性コーティング材料(PUD:水系ポリウレタンディスパージョン)の量産設備も計画している。タイ国においても、将来、同様の誘導品展開を目指す。

UBE Fine Chemicals(Asia)Co., Ltd.の概要

所在地 タイ国ラヨーン県 Thai Caprolactam Pcl.(宇部興産(株)連結子会社)敷地内
代表者 チャルニア ピチットクン(Charunya Phichitkul)
(宇部興産(株)常務執行役員、Thai Caprolactam Public Co., Ltd.、
UBE Nylon(Thailand)Ltd.、Thai Synthetic Rubbers Co., Ltd.社長)
事業内容 ファインケミカル製品の製造、販売
設立 2007年10月
資本金 500百万バーツ(宇部興産(株)100%出資)(予定)
操業開始 2011年初頭(予定)
生産品目 1,6へキサンジオール、1,5ペンタンジオール
決算期 12月

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