宇部興産株式会社（社長：竹下道夫）は、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチック等を化学工業用原料（合成ガス）にリサイクルするEUP事業から撤退することを決定した。
宇部興産は、株式会社荏原製作所と共同開発した加圧二段ガス化システム「EUPプロセス」による、容器包装リサイクル法に基づく廃プラスチック等を化学工業用原料合成ガス（主成分は、水素及び一酸化炭素）にリサイクルするEUP事業を、同社と折半出資会社として設立した株式会社イーユーピーで2001年度に開始した。
EUPプロセスは、廃プラスチックを水素及び一酸化炭素の分子レベルまで分解した上で合成ガスを製造、この合成ガスを利用してプラスチックであるナイロン製品までリサイクルする優れたマテリアルリサイクル技術。宇部興産は、荏原製作所と共に、容器包装リサイクル法認定リサイクル手法の一つである「ガス化手法」のパイオニアとして、同法が完全施行された初年度から事業参入した。
その後、事業環境が年々厳しさを増していく中で、株式会社イーユーピーを2007年9月に当社100％子会社とし、さらに2008年3月には宇部興産に吸収合併して収益改善を推し進めてきた。
ところが、容器包装リサイクル法の現行入札制度においては、廃プラスチックをペレットなどにリサイクルする狭義のマテリアルリサイクルが優先されており、主要原料である廃プラスチックの確保が困難になったため、2008年6月以降設備を休止し、運転再開を期してさらなる合理化検討を進めていた。
しかし、今後も事業環境の好転が見込めず収益の見通しが立たないことから、このたび事業撤退を決定した。
| 事業内容 | 有機廃棄物再商品化の受託及び再商品化製品であるガスの販売 |
|---|---|
| 設備所在地 | 山口県宇部市 |
| 直近の売上高 | 227百万円（2009年3月期） |
