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EP2アゴニスト製剤に関するライセンスおよび共同開発契約締結について

2011年10月14日

宇部興産株式会社(本社:宇部市、以下「宇部興産」)と参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下「参天製薬」)は、この度、宇部興産の保有するEP2アゴニスト化合物の眼科疾患治療剤(開発コード:DE-117)に関するライセンスおよび共同開発契約(以後「本契約」)を締結しましたのでお知らせいたします。本契約により参天製薬は緑内障・高眼圧症等の眼科疾患において、本化合物を点眼薬として全世界で開発・製造・販売するための権利を獲得します。

宇部興産はこれまで、独自にEP2アゴニスト化合物の研究開発を進めてきましたが、両社はこの度、緑内障・高眼圧症治療剤としてDE-117を共同で開発することに合意し、今後は新規メカニズムのプロスタグランジン系治療剤として協力して開発を進め、全世界での製造販売承認取得を目指します。

宇部興産は、医薬事業を成長戦略事業の一つと位置づけ、自社/共同研究開発により新薬を創製する自社医薬と、製薬会社から原体・中間体を製造受託する受託医薬を両輪として、医薬事業の拡大を図っています。自社医薬分野においては、「社会に貢献し得る有用な新規自社医薬品の創生」を目指し、研究開発活動を展開しています。これまでに製薬会社との共同研究開発による成果として、抗アレルギー剤、血圧降下剤、抗血小板薬の3剤が上市され、海外展開も進めています。今般のDE-117に関しては、これら3剤に続く新規自社医薬品として、眼科疾患治療剤領域においてグローバル展開を狙える候補化合物として、大きな期待を寄せています。

参天製薬は、2013年度を最終年度とする中期経営計画にて、「世界で存在感のあるスペシャリティー・カンパニー」の実現を目指し、研究開発投資を重点項目の一つと掲げ、グローバル戦略品となる開発パイプラインの強化を図っています。今般、DE-117の眼科疾患治療剤における全世界での開発・製造・販売権を取得したことにより、参天製薬が2008年より発売しているプロスタグランジン系(FPアゴニスト)緑内障・高眼圧治療剤「タプロス」(一般名:タフルプロスト)に続く、緑内障・高眼圧症領域でのグローバル展開の候補化合物となります。

両社は、緑内障および高眼圧症の治療にDE-117が加わることで、治療の選択肢が増え、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献できることを期待します。なお、両社のライセンスおよび共同開発契約の内容詳細は非公表とさせていただきます。

参考

緑内障とは

緑内障は、視神経(視覚情報を脳へ送る目の神経)が障害を受け、徐々に視野が狭くなっていく病気です。視神経に障害がおきる主な原因は眼圧の上昇とされており、眼圧を下げることが視機能の維持に最も有効な治療法とされています。日本人では、眼圧が正常の範囲であるにもかかわらず、視野が欠けるなどの症状が起こる「正常眼圧緑内障(NTG)」という種類の緑内障が7割を占めていると言われています。NTGも眼圧を下げることで病気の進行を遅らせることができます。

EP2アゴニストとは

EP2アゴニスト(プロスタグランジンE2受容体のサブタイプであるEP2の作動薬)は、近年眼科領域で眼圧下降作用が見出され、現在市場で販売されている緑内障治療剤と異なる新規のメカニズムを持つ、強力な眼圧下降作用が期待されています。

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