宇部興産株式会社(社長:竹下道夫、以下「宇部興産」)と第一三共株式会社(社長:中山讓治、以下「第一三共」)との共同研究開発により創製した抗血小板剤「エフィエント®錠3.75mg/5mg」(一般名:プラスグレル塩酸塩、製造販売承認取得日:本年3月24日)が、本日、第一三共より国内において新発売されました。
エフィエント®は、宇部興産と第一三共が創製した国産の経口抗血小板剤で、経皮的冠動脈形成術(以下「PCI」*1)が適用となる虚血性心疾患患者に対し、速やかな効果発現により、早期から優れた心血管イベント抑制効果を示すことが国内の臨床試験で確認されています。
海外では、第一三共とイーライリリー・アンド・カンパニーによる共同開発のもと、2009年に欧米においてPCIを施行した急性冠症候群(「ACS」*2)患者のアテローム血栓性イベント抑制を適応症として承認を取得し、現在、70ヶ国以上で承認されています。
(欧米等における製品名:Efient®/Effient®)
宇部興産は、現中期経営計画「Change & Challenge -更なる成長に向けて-」において医薬品事業を、迅速な事業規模の拡大と収益増大を図る成長戦略事業と位置づけており、「社会に貢献する有用な新規自社医薬品を創製する」ことを目指し、研究開発を進めています。
2000年には田辺製薬株式会社(現:田辺三菱製薬株式会社)と共同開発した抗アレルギー薬『タリオン®』が、2003年には三共株式会社(現:第一三共株式会社)と共同研究開発した血圧降下薬『カルブロック®』が、それぞれ日本国内で上市されており、エフィントはこの2剤に続くものとして、今回の日本での発売が宇部興産の医薬品事業の飛躍に繋がるものと大きく期待しています。
販売名 | エフィエント®錠3.75mg/5mg |
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一般名(JAN) | プラスグレル塩酸塩 |
薬価 | エフィエント錠3.75mg:1錠282.70円 エフィエント錠5mg:1錠359.80円(2014年5月23日付 告示) |
効能・効果 | 経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞) 安定狭心症、陳旧性心筋梗塞 |
用法・用量 | 通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、 その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。 |
製造販売承認日 | 2014年3月24日 |
製造販売元 | 第一三共株式会社 |
ACSとは、心筋梗塞や不安定狭心症のことです。これが、血管壁の粥腫(プラーク)が破裂することで血栓が生じ、部分的あるいは完全に心臓への血液の供給を妨げることなどにより発症します。
*1 PCI : Percutaneous Coronary intervention の略です。
*2 ACS : Acute Coronary Syndrome の略です。