ポリエチレンについて

ポリエチレン

エチレンの重合体(ポリマー)であり、もっとも簡単な構造の高分子化合物である。
組成上は同じポリエチレンでも、その構造によって性質が異なってくるため、密度や分子量で数種類に分類される。
高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などがあります。



ポリエチレン分子構造
 

低密度ポリエチレン LDPE (Low Density Polyethylene)

繰り返し単位のエチレンがランダムに分岐を持って結合した熱可塑性樹脂。
柔らかい性質から軟質ポリエチレンとか、製法から高圧法ポリエチレンとも呼ばれる。
比重 0.91~0.92
融点 100~115℃
用途 食品包装用フィルム、ゴミ袋、加工紙、ケーブル被覆材、緩衝材、マヨネーズ容器

直鎖状低密度ポリエチレン LLDPE(Linear Low Density Polyethylene)

繰り返し単位のエチレンと若干量のα‐オレフィンを共重合させた熱可塑性樹脂。
共重合で使用されるα‐オレフィンとしては、
C4(1-ブテン:CH2=CH‐CH2‐CH3)
C6(1-ヘキセン:CH2=CH‐CH2‐CH2‐CH2‐CH3)
C8(1-オクテン:CH2=CH‐CH2‐CH2‐CH2‐CH2‐CH2‐CH3)
などがある。
共重合成分量が多いと融点は低下する傾向、分岐鎖が長いと比重は低下する傾向にある。
透明度や外観は低密度ポリエチレン(LDPE)より若干劣る。耐ピンホール性には優れる。
剛性や柔軟性はHDPEとLDPEの中間に位置する。
L-LDPEの75%はフィルムとして使用されている。
比重 0.910~0.925
融点 114~126℃
用途 食品包装、ショッピングバッグ、米・砂糖・塩袋や肥料袋など比較的重量があるものを入れる重袋

高密度ポリエチレン HDPE (High Density Polyethylene)

繰り返し単位のエチレンが分岐をほとんど持たず直鎖状に結合した、結晶性の熱可塑性樹脂。
他のポリエチレン(PE)と比較し硬い性質から硬質ポリエチレンとか、製法から中低圧法ポリエチレンとも呼ばれる。
一般に、密度すなわち結晶化度が高いものは硬すぎて脆くなる。そのため、HDPEにはホモポリマー(単一重合体)だけではなく、 主に1-ブテンなどのα‐オレフィンと共重合させ短い分岐(SCB)構造を持たせて結晶化度を意図的に下げたコポリマー(共重合体)がある。
比重 0.942以上
融点 126~137℃
用途 洗剤容器、水道・ガスパイプ、魚網・漁船用ロープ、レジ袋、ビールケース
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